はるのリベンジ





次の日の早朝。



私は、屯所へ帰る。


いつもの斎藤助勤と、早朝稽古を済ませて、朝餉に向かう。




さて・・・。あの東行先生がくれた情報をどう使えば・・・。って、沖田助勤を使えば早いこと・・・。



私は、沖田助勤に言う。



はる「沖田助勤。はるに会いますか?」



沖田「えっ!?いいの!?うんっ!!会いたいっ!ありがとうっ!」



手を握られぶんぶんと振られる。



はる「では、はるは、父の手伝いをしていて、代わってやらないといけないので、非番の時でも良いですか?」



沖田「うんっ!もちろんっ!あーどうしよう!今から、緊張してきた!」


私は、喜ぶ沖田助勤を見ていると、心がズキズキ痛かった。



この人には、小姓として、本っ当に迷惑を被りっぱなしなのに、どこか憎めない。そんな、魅力がある。



きっと、土方副長も、私と同じ気持ちなのかもしれない。





そんな事を考えていると、向こうから、墨を被ったのか、顔や着物が真っ黒に染まった鬼が来た。



いや、私も、土方副長も憎しみしかないな。うん。



土方「総司っ!!梅っ!!あ!梅っ!コラァ!待ちやがれっ!!」


一瞬で危険と判断。



逃げなくちゃ。




刀を振り回し、追いかけてくる。



ビュン!


はる「ひぃ。」



避けるも、結っていた髪の毛に切っ先が当たりパラパラと私の髪の毛が、風に流れていく。



はる「落ち着いて下さい!」


土方「こんな、真っ黒で落ち着けると思うのか?これで何回目だと思ってやがる!?」



はる「すすすぐに部屋を、調べます!あと湯を沸かしますので湯浴みして下さいっ!!」



そして、何とか土方副長の怒りを静めた私は、部屋を調べる。



ここで、見落とすと、命はない。




じっくり、ゆっくり、隅々を調べる。



はる「う゛っ・・・。」




何だか体が重い。しかも、吐き気が・・・。気持ち悪っ。



最近、色々考えて悩んでるからなぁ。



寝不足と心労か・・・。



フラフラしながら、部屋を調べる。



そして、湯を沸かし、やっと、朝餉にありつけると思ったが、食欲が出ない。



沖田助勤の金平糖でも貰おう。




沖田助勤の部屋に忍び込み、金平糖を頂戴する。



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