はるのリベンジ
角屋を出て、近くの河辺に腰を下ろした。
沖田「すいません。もう少し、一緒にいたくて・・・。その・・・。」
真っ赤な顔で、沖田助勤は、そう言った。
そんな沖田助勤が可愛くて、クスッと笑ってしまう。
はる「月が綺麗ですね~。」
沖田「はい。でも、貴方の方が・・・。」
あ!忘れる所だった。何か言おうとしていた沖田助勤の言葉を遮ってしまった。
はる「あ!そうだ!あの、今日、沖田様にお渡ししたいものがあったんです。はい。どうぞ。」
そう言って、沖田助勤に、はるとして初めて出会ったときに渡した薬を渡す。
はる「これ、結構、効くんですよ?沖田様も傷が絶えないでしょう?って梅之助に渡せば良かったですね。」
沖田「いえ!ありがとう。その・・・。嬉しい!」
沖田助勤は、目をキラキラさせて、薬を見つめていた。
そして、沖田助勤は、私の体を抱き寄せて唇を重ねた。
え・・・?接吻されてる・・・。
沖田助勤の胸を押して、離れようとするも、結った髪の毛の中に手を入れられ、離れられない。
どんどん甘く深くなる口付け・・・。
これは、マズい。
少し、唇が離れた隙に、手で、沖田助勤の口を塞いだ。
はる「ダメです。」
私は、低い声で言い睨む。
しかし、沖田助勤は、私の手をどかして、唇を奪う。
何度も抵抗するが、お酒の入った沖田助勤は、いつもより強引だ。
はる「もう本当に、帰ります。」
もうこのやりとり何回目だろうか・・・。
沖田「離したくない。帰したくない。」
こんな事を言う始末だ。
はる「でも、私達は、そんな関係ではありません。」
沖田「そんな事、言わないで・・・。」
グッと引き寄せられ、また唇を何度も啄また。
はる「沖田様・・・。もう、帰らないと。」
そう言うと、沖田助勤は私をギュッと抱きしめた。
仕方ない。
はる「沖田様・・・。また、今度、ね?」
本当は、“また”なんて言うつもりはなかったが仕方ない。
すると、沖田助勤は顔を近付け口付けをしようとしてきたので、私は、素早く立ち上がる。
はる「おやすみなさい。」
と言って走って逃げた。