溶けないチョコレート
「私が悪い!」
そう言って私は立ち上がった。
「…はなちよ?」
「私…優人に復讐する。」
「やめとけ。俺が勝ったことではなちよを傷つけないってケリがついたんだ。」
「そっか…。え?!勝ったの?!」
「当たり前だろ(笑)好きな女守るために負けるやつなんていねーだろ(笑)サッカーで鍛えたこの脚で蹴り飛ばしたわ(笑)」
「でも…優人はカッター持ってたんでしょ?」
「そうだけど?」
「そうだけど?って下手したらもっとひどい怪我に…。」
「そうかもな(笑)」
「そうかもな(笑)って…(笑)」
「まぁ今こうして千代子と居れるんだからそれでいいんだよ♪」
原田くんはニコニコ笑っていた。
それから私は原田くんから「絶対復讐すんなよ!」と何度も釘を刺された。
「俺が千代子を守っから。」
その言葉が今、やっと私の心に届き溶けていった気がした。
(終)