溶けないチョコレート
三章
私の傷はそう簡単に癒える訳もない。
「愛してるぜ♪はなちよ♪」
「…もうやめて…。」
涙が出てきた私に原田くんは真顔になった。
「どうした。優人と何かあったのか?」
「私が…振ったの…。」
「じゃあなんでそんなに泣くんだよ?はなちよが振ったんなら怒っててもいいだろ?ちょっとこっち来いよ。」
そう言って原田くんは人が少ないところに私を連れていった。
「優人と何があった?」
私は泣きながら原田くんに事情を話した。
「くそっ…アイツ…!」
原田くんはとても怒っていた。
「いいの、怒らないで?私はもう大丈夫だから。」
「………俺じゃダメか?」
「え?またまた(笑)そうやってからかって(笑)」
私は一生懸命笑いながら原田くんを見た。
でも原田くんの目は真剣だった。
「マジで言ってんの。俺じゃ…ダメか?」
「…分かんないよ…。だっていつも私をからかって…。」
「はなちよが本気にしなかっただけだろ?(笑)急かすつもりはない。いつでもいいから返事…待ってる。でも、はなちよは俺が守っからな。」
原田くんはそう言って教室に戻っていった。