溶けないチョコレート


「やっと溶けたな♪」


原田くんが私の頭を撫でながら言った。


「溶ける?」


「今まで一人で突っ走って来てさ、


誰にも頼らず甘えも知らないで生きてきただろ?


アイツと付き合った時もさ、はなちよがアイツの保護者に見えてさ…(笑)


女子がさ、はなちよのこと『チョコ』って呼んでたけどさ、


俺には溶けないチョコに思えたんだよ。


いつもしっかりしようとしてるしさ♪


だから俺は、はなちよが笑うところがたくさん見たかった。


今までほっとけなかったんだよ(笑)」


原田くんは照れながら話していた。


「そっか…(笑)私のことそんなに考えてくれてたんだ…。ありがとう♪」




「よかったなー千代子。新しい彼氏ができて。」


教室のドアにいたのは優人だった。


「優人…。」


「優人!お前はなちよに何して「優人。あんな別れ方をしたのは私も悪かったと思ってる。」」


私は原田くんの言葉を遮って言った。



「でもね、優人が私や私の周りの人に危害を加えるようなら私…あなたを殺すよ。」


私は優人を睨みつけて言った。


「一度は好きになった女だ。そんなことはしねーよ。男のプライドっていうもんもあるしな。」


優人はそう言って帰っていった。

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