元ヤン彼女×冷酷彼氏 【完】
遥は黙ったまま何も言わなかった。


「ちょ、何とか言ってよ」


なんでいきなり無視すんのよ。


「俺んとこ親いないから」


やっと開いた口から出た声はとても冷たかった。


「なんで?」


空気の読めない私はそんな様子に気付くこともなく、触れてはいけない領域に踏み込もうとしていた。


「それ、お前に関係ある?」


ズキン


遥の言った言葉が胸に刺さるように貫いた。
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