元ヤン彼女×冷酷彼氏 【完】
心でそう思っていても何故か逆のことを言ってしまう。


口が止まらなかった。


「親がいないのってもしかして生き別れとか捨てられたとかそういうドラマ的展開だったりする?」


そこまで言うと有馬遥がこちらを見た。


ビクッ


今まで見たこともない冷えきった目で私を睨んでいた。


「お前うざい、死んで」


感情のこもらない冷たい声だった。


「な、なによそれ…」


「やっぱあんたのことキライだわ」


遥にキライと言われ胸が締めつけられる感じがした。


「私だってあんたみたいなやつ…嫌いだから」


そう言って私は家を飛び出した。
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