ろーるあうと!

「駄目だ。時雨にそんなことはさせない。
お前がしろ。」

こちらもハーフのような顔をした兄、黒崎潤(うる)
医学部を卒業後
遺伝子組み換え研究所に就いた

私は、ため息をついた

長年、この研究を続け、なぜ、
成功作品間近のものを動物実験でなく
人にさせようとするのか

科学者であるから
と、家族は言うが、おかしすぎる

「んー。どうせ、完成してるんだから私が飲んで見よーかしら。」
「おぃおぃ。勘弁してくれよ。君に万が一のことがあったら、どうするんだ。僕は、君がいないと生きていけないよ?」
そういって、きゃあ
なんて、甘い声を上げるお母さんに冷たい目を向ける

突っ込む気もうせて、
私は、近くの椅子にガタっと座り寄りかかった

「ねーさん!水飲む?」
差し出されたコップをうけとる

「喉乾いてたんだよねー。、楓生のくせに、気がきくじゃん。」
珍しいと思いつつ、飲み干す

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