艶麗な夜華
「いらっしゃいませ!」



「沙希ちゃんに会いたくて、


ちょっと今月はお金に余裕がなかったんだけど、


無理して来ちゃった」




はにかんだ笑顔を見せる佐藤さん。



お金がないのに無理をして来てくれたのは、


ありがたいけど申し訳ない。



あたしは水割りを作りながら佐藤さんに質問をした。



「佐藤さんって、お仕事はなにをされているんですか?」



「営業マンだよ。


とは言っても、最近入ったばかりの会社で、


まったく新規の仕事も取れなくて……


給料なんて高卒の社員と同じだし、


本当大変で……」



「そうなんですか……」



「そうなんだよ。


前の会社は人間関係が上手くいかなくてやめたんだけど、


今少し後悔してて……」



今日は酔っているのか、


いつもはしないプライベートの話をする佐藤さん。

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