艶麗な夜華
「2年前に離婚した妻との間に2人の子供がいて、


下が高校生で上が大学生で、


なにかとお金が掛かってね……


養育費を払うのも大変で……


とりあえず今は貯金を切り崩してなんとかしてるんだけど。



あっ、ごめんねこんなつまらない話……」




佐藤さんははにかんだ笑顔であたしを見ると、


グラスの中のお酒を一気に飲み干す。




カラン…




その姿がなんだか切なくて、


なんとかしてあげたいけど、


なにもできなくて……




「話を聞く事しかできなくて……」
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