艶麗な夜華
薄めに水割りを作り、


コースターの上にグラスを置くと、


佐藤さんがあたしの手に触れる。




「気にしなくていいから!」



「あっ、は、はい」



急に触れられ少し驚いたあたし。



佐藤さんはすぐに手を離すとグラスに口を付ける。




"どんな紳士でも下心はあるさ"



愛華の言葉が頭をよぎる。



でも、佐藤さんはそんな気持ちであたしを見てるとは思えない。




そして今日も、


佐藤さんとの会話は盛り上がり。





「それって大袈裟じゃないですか?」



「いや本当なんだって!


30センチはあると思うんだよなぁ~」



「そんな大きいエビフライ見た事ない!」



「じゃあ今度そのお店に、


沙希ちゃんを連れて行ってあげるよ!」



「えっ!本当に?」



「あぁ、その代り割り勘で!」


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