艶麗な夜華
なにも言葉にできず、

でもなにかを口にしようとしているあたしは今、

恭也の顔が見れない。


沈黙の中、恭也が口を開く。


「俺の勘違いではなかったみたいだな」


「あっ、と、その…」


必死に言葉にしようとするそれをかき消す恭也。


「責任とってやるよ」


「えっ?責任?」


「惚れさせた俺が悪いんだからな」



どういう意味かわからず顔を上げると、


恭也の手があたしの頭に触れた。


あっ…


ドキドキする胸に熱くなる体。


頭に触れる恭也の手はゆっくりと移動し、


頬を包むとあっさり滑り落ちた。


「きょう……や?」


「もう此処には来るな。


金も返さなくていい」



───。



一瞬バカな期待をしたあたし。



責任とるって……そういう事……。



なにも考えられなくて、


ただ凄く悲しい気持ちで、


すがるように恭也を見るけれど……



「ねぇ……恭也……」


目の前の恭也は突き放すようにあたしから目をそらし……



「店の鍵よこせ」



って。



「ねぇ恭也!今まで通りにしてよ!」


思い切ってそんな事を言ってみるけど、


恭也はそれを受け入れてはくれなかった。


「鍵をよこせ」


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