艶麗な夜華
病室をあとにし玄関へ行くと正面に白の高級車停まる。


あっ…



見覚えのあるその車は恭也と同じ車種。


目を細め中の人を見ると助手席には百合花さんの姿。



間違いなく、それは恭也の車で。


運転席から出てきた恭也はトランクから車いすを取り出し、


助手席のドアを開くと百合花さんに話す。


「いい?ちゃんとつかまって」


「うん!」


恭也の体につかまる白く細い手。


軽く抱き上げられゆっくりと車いすに降ろされるその体は、


まるで体重を感じさせない。
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