艶麗な夜華
「で、でも…」


ボトルを整理する恭也の背中に目を向けた。


ヤスはコートをハンガーに掛けると恭也の脇に行く。


「正直、沙希に後片づけをしてもらえると助かるんですよ。


今、ウチのばあさんがボケてきて、


朝早くから俺がその面倒をみているんです。


それに、キンのところも同じで、


ボケたばあさんを朝早くからキンがみているみたいで。


できれば早く家に帰れると助かるんですが……」



演技は上手だけど嘘は下手なヤス。


そんな同時に2人のおばあちゃんがボケる?


でも、恭也の口から出た言葉は意外なものだった。


「お前らのいいようにしろ」


えっ…
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