艶麗な夜華
笑顔であたしを見るヤス。


「おい沙希!明日からサボらず店に来いよ!」


「う、うん…」


嬉しいけど戸惑うあたしはまだ、


笑顔を作る事ができない。


「今からジュアンに金を取りに行くからその間店頼む」


「「はい」」


恭也はクローゼットを開くとコートを手に取る。


そしてあたしの前に来ると店の鍵を差し出した。


「ほら」


「あっ…うん…」


数日ぶりに手にした鍵。


勝手につけたキーボルダ―はそのままで、

なんだか泣きそうになるあたし。



バタン



恭也が店を出て行き、

ヤスがあたしに声を掛ける。


「感謝しろよ」


その言葉に大きくうなずいた。
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