恋のメロディー
「美鈴、せっかく早く起きたんだから着替えてきなさい。」

母はそう言うと、トーストが焦げそうになっているのに気づき、慌てて取り出した。

「は~い。」

美鈴はあくびをしながらそう答えると、自分の部屋に戻った。



”★美鈴の部屋★”と書かれたドアを開けると中から苺の香りがひろがった。

「えっ、何!・・・あっ!!」

なんとコロンがこぼれていたのだった。

「やばっ。萌香、ティッシュ持ってきて。」

「分かった~。」


床は一応拭いたものの、匂いがまだ残っていた。

「あぁ・・。どうしよ・・。」

すると萌香が何かを持ってきた。

「お姉ちゃん、消臭剤持ってきてあげたよ。これで何とかなるでしょ?」

「ありがとう。」

美鈴は部屋一面に消臭剤をまいた。

「美鈴、ご飯よ。早く来なさい!」

「えぇ!ちょっと待ってて・・・。」

美鈴は急いでかけてあったブラウスを取った。

ベッドに放り投げられていたスカートも取ると、着替え始めた。

慣れた手つきでスカートを2回折った。

鏡の前で一度クルリと回ると、置いてあった鞄をつかんで階段を駆け下りていった。
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