生きて 強く
私が裕一郎の事が好きだと話した時も、



『池原が好きだぁ~!?
あ~お前には彼氏なんて出来ないと思う。
もうちと女を磨きなさい!
諦めろ~』



とか言いながらも、裕一郎と仲の良い男子に彼女はいるのかとか聞いてくれていたと、夏彩に教えてもらった時は、目頭が熱くなった。


そんな優しい琢也につい甘えてしまう自分がいる。



そっと琢也の背中に腕をまわして、抱きついた。



「んだよ澪?鼻水つけんなよ」



「私ね……私、ゆ、裕一郎と、別れたのぉー!
ひぐっ…うぇっ、大好きだった、のに、うぅ、好きな人がで、きたって…」



しかもその好きな人がまさか夏彩だとは、琢也には言えない。



感情が高ぶって、涙が止まらず上手く言葉が出てこない。
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