生きて 強く
そう言って仰ぎ見ながら微笑む姿に、思わず嬉しさが込み上げた。



しばらく2人で美しさを堪能してから、ふと思ったことが口から滑り出た。



「そ~言えば、
何で、琢也屋上に来たの?」



「んでだと思う?」



「え~?
質問を質問で返さないの!」



口を尖らせて睨んでやると、琢也は申し訳無さそうに笑った後、また歩き出した。



「池原が顔真っ赤にしてたから」



「裕一郎が真っ赤?」



「うん。
さっきすれ違った時、すげー真っ赤な顔してて……
それ見たら、お前探した方が良さそうだなって」



手をさっきより強く引きながら前を歩く琢也は、今 どんな顔しているんだろ?


それを見たかったけど、振り向いて欲しくはなかった。



「そっか……鋭い…ね。
琢也は普段、バカそうにしてるけど…
実は結構、頭良いのかもね」
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