エリート室長の甘い素顔
 再び迎えた週末。

 昨夜、大谷のアパートの部屋で共に過ごした翌朝――

 朝食を取りながら、入籍だけ先に済ませようと言う大谷に、悠里は言った。


「その前に、理子ちゃんのお許しをもらいたいです」

 大谷はじっとこちらを見つめる。

「……お許しって、理子がヤダっつったらどうすんだ?」

「それは……お許しが出るまで待ちます」

「お前それ、ずっと結婚できない可能性もあるぞ」

 悠里も大谷の目をまっすぐ見返しながら、問いかけた。

「反対されると思いますか?」

 大谷は首を振る。

「正直……わからん。もう複雑な年頃だしな」


 二人はしばらく悩んだ後、理子に連絡を取った。

 すでに母親から再婚の話を聞いているはずだが、理子はあっさり大谷からの電話に出た。


 そして今日、三人で一緒に昼食を食べに出掛けることになったのだ。

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