エリート室長の甘い素顔
08
「ねぇ悠里、安藤さんとどうなってるの?」
仕事が終わって遅くに家に帰ると、母が起きて待っていた。
おかえりと言うよりも先に、まずそう聞かれる。
ずっと気になっていたに違いない。
だが悠里はその話を振られたくなくて、ここの所いつも残業を調整し、遅めに帰宅していたのだ。
しばらく慌ただしい朝食の席でしか母と顔を合わせていなかった。
だからか、母は待ち構えていたと言わんばかりの顔をして、悠里をじっと見つめている。
「どうにもなってない。今は……友だち、みたいな」
「友だち……? 付き合ってないの?」
「えと、付き合っては……」
悠里がモゴモゴと語尾を濁すと、母は顔をしかめた。
「いるの? いないの? どっち!?」
(私だってわからないよー!)
安藤からは「男友だちだと思ってくれればいい」と言われたが、欠かさずメールはくるし、たまに食事にも行く。
向こうのほうが忙しいとわかっているから、誘いがあればできる限り調整するようにしている。
悠里自身も、この状態は端から見れば付き合っている以外の何ものでもないと思うのだ。
(でも、恋人じゃない……)
じゃあなんなのだという話だが、それがわからなくて悠里も戸惑っている。
仕事が終わって遅くに家に帰ると、母が起きて待っていた。
おかえりと言うよりも先に、まずそう聞かれる。
ずっと気になっていたに違いない。
だが悠里はその話を振られたくなくて、ここの所いつも残業を調整し、遅めに帰宅していたのだ。
しばらく慌ただしい朝食の席でしか母と顔を合わせていなかった。
だからか、母は待ち構えていたと言わんばかりの顔をして、悠里をじっと見つめている。
「どうにもなってない。今は……友だち、みたいな」
「友だち……? 付き合ってないの?」
「えと、付き合っては……」
悠里がモゴモゴと語尾を濁すと、母は顔をしかめた。
「いるの? いないの? どっち!?」
(私だってわからないよー!)
安藤からは「男友だちだと思ってくれればいい」と言われたが、欠かさずメールはくるし、たまに食事にも行く。
向こうのほうが忙しいとわかっているから、誘いがあればできる限り調整するようにしている。
悠里自身も、この状態は端から見れば付き合っている以外の何ものでもないと思うのだ。
(でも、恋人じゃない……)
じゃあなんなのだという話だが、それがわからなくて悠里も戸惑っている。