エリート室長の甘い素顔
「大谷さん……マジかよ」
「うそだろ~~ここまできて……」
悠里は桑名に持参した封筒を差し出した。
「これ、昨日のお金です。昨日は雰囲気悪くしちゃって……本当にすみませんでした。懲りずにまた誘ってください」
あっけに取られたままの桑名がそれを受け取るのを確認して、悠里は軽く頭を下げると、静かにその場を去ろうとした。
それを河野が慌てて引き止める。
「待って待って、松村さん! 大谷さん、なんて言ってたの?」
「え?」
振り返った悠里の返事を、二人は深刻な顔をして待ち受けている。
(……そんなに重大なこと?)
ただの野次馬というには、二人は真剣すぎる。
おそらく本気で大谷のことを心配しているのだろう。
だからといって、悠里はこういうプライベートなことを第三者にペラペラとしゃべるのは気が引けた。
まして今は仕事中だ。
「今度、二人で話をします。何を言われるのかは、まだ……」
悠里はそれだけ伝えると、気が抜けたように呆然とする二人を残して、今度こそ足早にそこを出た。
「うそだろ~~ここまできて……」
悠里は桑名に持参した封筒を差し出した。
「これ、昨日のお金です。昨日は雰囲気悪くしちゃって……本当にすみませんでした。懲りずにまた誘ってください」
あっけに取られたままの桑名がそれを受け取るのを確認して、悠里は軽く頭を下げると、静かにその場を去ろうとした。
それを河野が慌てて引き止める。
「待って待って、松村さん! 大谷さん、なんて言ってたの?」
「え?」
振り返った悠里の返事を、二人は深刻な顔をして待ち受けている。
(……そんなに重大なこと?)
ただの野次馬というには、二人は真剣すぎる。
おそらく本気で大谷のことを心配しているのだろう。
だからといって、悠里はこういうプライベートなことを第三者にペラペラとしゃべるのは気が引けた。
まして今は仕事中だ。
「今度、二人で話をします。何を言われるのかは、まだ……」
悠里はそれだけ伝えると、気が抜けたように呆然とする二人を残して、今度こそ足早にそこを出た。