エリート室長の甘い素顔
16
おでこの辺りを、温かいものが触れていく。
ふっと離れたかと思えば、今度は頬を撫でて、軽く摘ままれるような感触。
その温かさは気持ちいいが、眠りそのものを妨げられて、悠里は顔をしかめる。
(ん? なあに、これ……?)
寝返りして顔を背けても追いかけてくる感触に、ようやく悠里の意識が浮上し、頭の中もゆっくりと覚醒する。
微かにまぶたを持ち上げれば、目の前には何故か裸の広い胸板が視界いっぱいに広がっていた。
(んん?)
驚いてパッチリと目を見開くと、頭上からくくくっと可笑しそうな笑い声が降ってきた。
「おはよう、松村。よく眠れたか?」
(あっ! そうだ私、昨日――)
大谷の声を聞き、昨夜の記憶が一気に舞い戻ってきて、悠里は恥ずかしさのあまり顔が熱くなった。
(どうしよう……)
顔が上げられず、悠里はむしろ丸くなって大谷の胸に額を押し付ける格好になる。
昨夜は大谷とあんなことやこんなことを、なんだか沢山やらかしてしまった――
(でもあれはなんていうか、ぼうっとして夢の中にいたみたいな……)
あれが平気だったのはきっと、深夜だったからだ。
こんな明るくなってから、目が覚めていきなり布団の中で裸で対面とか……
(無理!)
悠里は手で覆った顔が火照って熱いのを自覚し、ますます小さく丸まった。
起き抜けなのに、心臓がドキドキしすぎて痛い。
ふっと離れたかと思えば、今度は頬を撫でて、軽く摘ままれるような感触。
その温かさは気持ちいいが、眠りそのものを妨げられて、悠里は顔をしかめる。
(ん? なあに、これ……?)
寝返りして顔を背けても追いかけてくる感触に、ようやく悠里の意識が浮上し、頭の中もゆっくりと覚醒する。
微かにまぶたを持ち上げれば、目の前には何故か裸の広い胸板が視界いっぱいに広がっていた。
(んん?)
驚いてパッチリと目を見開くと、頭上からくくくっと可笑しそうな笑い声が降ってきた。
「おはよう、松村。よく眠れたか?」
(あっ! そうだ私、昨日――)
大谷の声を聞き、昨夜の記憶が一気に舞い戻ってきて、悠里は恥ずかしさのあまり顔が熱くなった。
(どうしよう……)
顔が上げられず、悠里はむしろ丸くなって大谷の胸に額を押し付ける格好になる。
昨夜は大谷とあんなことやこんなことを、なんだか沢山やらかしてしまった――
(でもあれはなんていうか、ぼうっとして夢の中にいたみたいな……)
あれが平気だったのはきっと、深夜だったからだ。
こんな明るくなってから、目が覚めていきなり布団の中で裸で対面とか……
(無理!)
悠里は手で覆った顔が火照って熱いのを自覚し、ますます小さく丸まった。
起き抜けなのに、心臓がドキドキしすぎて痛い。