エリート室長の甘い素顔
「……母ちゃん、やっぱり上がってもらったら?」
弟がそう呟くように言い、母もうなずいた。
「そうね。こんな狭い所で……何してるんだって感じよね」
しゃくりあげている悠里をみんなが促し、大谷も一緒に家に上がった。
母も弟も、廊下を歩く大谷を見上げて言う。
「大谷さん、身長いくつ?」
「でけぇ……なんかやってたんすか?」
大谷は苦笑しながら答える。
「身長は188で、高校までは柔道。大学でラグビーを」
「「おお~っ!」」
二人は感心した声を上げる。
ようやく少し落ち着いてきた悠里は、なんとなく嬉しそうな二人を見て戸惑った。
リビングのソファに並んで落ち着くと、弟は向かい側にちゃっかり陣取って、母がお茶を運んでくるのを一緒に待っている。
「はい、どうぞ。熱いですから気をつけて」
「いただきます」
大谷はそれだけ言って、慎重に一口だけ口にした。
母も向かい側に座ると、大谷は改めて頭を下げる。
「一つ、お伝えしなくてはいけないことがあります」
母は首を傾げた。
「なんでしょう?」
大谷は軽く息を吐いてから口を開く。
「俺は一度結婚して、10年ほど前に離婚しています。母親のほうに引き取られた12歳になる娘がいます」
「「えっ?」」
母と弟は同時に驚きの声を上げた。
「向こうはとっくに再婚して、養育費も払わなくていい状態になっています。ですが……娘が会いたいと言えばいつでも会うという約束をしています」
弟がそう呟くように言い、母もうなずいた。
「そうね。こんな狭い所で……何してるんだって感じよね」
しゃくりあげている悠里をみんなが促し、大谷も一緒に家に上がった。
母も弟も、廊下を歩く大谷を見上げて言う。
「大谷さん、身長いくつ?」
「でけぇ……なんかやってたんすか?」
大谷は苦笑しながら答える。
「身長は188で、高校までは柔道。大学でラグビーを」
「「おお~っ!」」
二人は感心した声を上げる。
ようやく少し落ち着いてきた悠里は、なんとなく嬉しそうな二人を見て戸惑った。
リビングのソファに並んで落ち着くと、弟は向かい側にちゃっかり陣取って、母がお茶を運んでくるのを一緒に待っている。
「はい、どうぞ。熱いですから気をつけて」
「いただきます」
大谷はそれだけ言って、慎重に一口だけ口にした。
母も向かい側に座ると、大谷は改めて頭を下げる。
「一つ、お伝えしなくてはいけないことがあります」
母は首を傾げた。
「なんでしょう?」
大谷は軽く息を吐いてから口を開く。
「俺は一度結婚して、10年ほど前に離婚しています。母親のほうに引き取られた12歳になる娘がいます」
「「えっ?」」
母と弟は同時に驚きの声を上げた。
「向こうはとっくに再婚して、養育費も払わなくていい状態になっています。ですが……娘が会いたいと言えばいつでも会うという約束をしています」