チューリップの花束に愛を込めて
『それって、恋人になるってことでいいの?』
健太が不安そうに尋ねてくるから…
『………き……』
『…え…?』
あたしの言葉が健太に聞こえなかったのか聞き返してくる。
『……好き…』
『健太のことが好き!』
『大好き…今も…ずっと…ずっと前から…』
あたしの告白に健太はそっと近づいて、あたしの涙を拭き取ってくれた。
おかげで健太の顔もよく見れるようになって。
『健太の幼馴染じゃなくて…健太の恋人がいいよ……』
あたしはそう言った。
健太は優しく微笑んで、そして視線をずらして、あたしの手に触れた。
『……え……』
健太はポケットからキラキラと輝くものを出して、そしてあたしの左手の薬指にはめた。
『……健太……?』
『亜季は俺の恋人、って証』
健太は言い終わったあとで、顔を真っ赤にしていたけど。
あたしは、ただ、ただ、健太の言葉が、健太の気持ちが嬉しくて嬉しくて。
その場で微笑んだ。
『亜季、好きだよ…』
健太はそう甘く囁いて、そしてそっとあたしにキスをしてくれた。
健太、あたしも、あなたのことが世界で一番、大好きです。
これからは“幼馴染”で、そして“恋人”として、宜しくお願いします。
END
2015年3月8日
中原 亜依