illicit love.
 


家の前に車が着くなり
あたしは帰りたくないと
離れたくないと
彼にぼやいた…。

「またな?」

またがあるのかどうかなんて
わかんないとはねた。

きっと彼は
困った顔をしていた。

繋がりはメールだけ。


「番号…聞いてもいい…?」

「ああ、いいよ。090xxxx…」


ワンコールして
あたしの番号を通知させる。


これ以上となりにいたら
泣いてしまう気がして

「じゃあまたね、お仕事頑張って」

得意の営業スマイルで
泣きそうな顔を隠した。


彼はもう1件仕事を済ませたら
大阪に帰ってしまう…。

 
< 19 / 23 >

この作品をシェア

pagetop