illicit love.
第Ⅰ章:病み嬢。
5月の終わり頃
万年五月病のあたしだけど
そのときはいつも以上に
病んでて、そして堕ちていた。
大学も行かずに
布団の上でただ白い天井を仰ぎ
携帯を手にしていた。
病んだときのあたしが
いつもすること。
某大手出会い系サイトへの投稿。
会うのが目的じゃない。
口元から下の
艶やかな唇にピントの合った
自分の写メを載せて
「真奈です。今ひとりぼっちで寂しいんだぁ。誰かかまってくれませんか?癒しがなくてしんどいよぉ…。」
なんて投稿するんだ。
それを見た男からの
メールを読んでただ楽しむ。
「じゃあ俺とメールしようよ~」
「よろしく~」
「別3でどう?」
「セックスの相手して!」
どれも短文で
自分に自信があるからなのか
かっこつけた写メを添付してくる。
それを見てあたしは
いつも嘲笑してるんだ。
趣味悪い?(笑)
寂しがりやの暇つぶしだもん。
趣味悪くてごめんね。
でもね、たまに気になるメールが
紛れてたりするんだ。