幼馴染みの距離。
「どうしたの?唯。具合悪い?」

玲くんは、心配そうに僕の顔を見つめる


愁の顔を見てた…なんて言えない




「ううん!なんでもないよ。大丈夫
さっ!早く行こ?遅刻しちゃうよ。」





わざと笑ってみせて



本当は辛いのに、苦しいのに





幼馴染みの距離なんてこんな感じなのかな





「無理しないで、」












玲くんが足を止める


それにつられて僕も足を止める





「な、何のこと?」






動揺を隠せない



必死に取り繕う



「俺、知ってるよ。唯、あいつの事…」

「言わないで。」




苦しくなって下を向く








玲くんも黙ってしまった





僕、何やってんだろう






どうせ玲くんは「告ればいいんじゃないか」って思ってんだろうけど










そんな勇気僕には持ち合わせていない









モテモテな幼馴染み君に話かける余裕すら僕にはない








なんで君はそんなになっちゃったんだろう





ねぇ、教えてよ







僕にもわかるようにさ。
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