ダンデライオン
俺は手に持っていた小さな紙袋を、差し出したアサちゃんの手に渡した。

「何、これ?」

渡されたアサちゃんは首を傾げた。

わかっていなくてもその仕草は男としてはグッとくるよ。

俺は心の中で呟くと、
「今日、アサちゃんの誕生日でしょ?」

俺はアサちゃんに言った。

「プレゼント?」

そう聞き返してきたアサちゃんに、
「開けてごらん」

「うん!」

アサちゃんは紙袋を開けた。

中から出てきたのは、黄色のリボンだった。

「わーっ!」

アサちゃんは嬉しそうにリボンを見つめた。

その様子に、俺は選んだ甲斐があったと思って嬉しくなった。
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