ダンデライオン
Flower5*1人の織姫と2人の彦星
それにしても、
「富山のおばあちゃんったら、一体どれだけのなすを作ったのかしら?」

段ボール箱いっぱいに入っているなすを見ながら、私は呟いた。

今日の昼過ぎに『富山薬局』のおばあちゃんがやってきて、段ボール箱いっぱいのなすをくれたのだ。

「まあ、材料を買う手間が省けたのはいいことだけど」

私は呟いた後、カレンダーに視線を向けた。

明日は7月7日、つまり朔太郎の誕生日である。

今年の誕生日プレゼントは普段料理を作っている朔太郎のために、私が彼のために料理を作ってあげようと言うことにしたのだ。

「たまにはいいよね、こう言うのも」

カレンダーをなでている私に、
「お待たせー」

甚平姿の忍兄ちゃんが食卓に現れた。
< 105 / 360 >

この作品をシェア

pagetop