ダンデライオン
お風呂に入ると、私は息を吐いた。

「どうしましょうかね…」

忍兄ちゃんのしつこい追跡は明日まで続きそうだ。

そのうえ運が悪いことに、忍兄ちゃんは明日仕事が休みだ。

どこかへ出かけると言う予定もない。

忍兄ちゃんが私から目を離したすきに…って、そんなタイミングがくるのかしら?

いや、そのタイミングがくることを祈るしかないのかも知れない。

そう思った後、私はお風呂からあがった。

居間の方に顔を出すと、忍兄ちゃんは横になった状態でテレビを見ていた。

忍兄ちゃんのそばに歩み寄って顔を覗き込むと、
「寝てるし」

私は息を吐いた。
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