ダンデライオン
時間は7時32分になっていた。

「はい、着つけ終了」

忍兄ちゃんがポンと肩をたたいた。

「わーっ、ありがとう」

私は忍兄ちゃんにお礼を言った。

後は朔太郎が迎えにくるのを待つだけだ。

そう思いながら巾着袋に財布とスマートフォンを入れようとしたら、
「…あら?」

スマートフォンの画面がチカチカと点滅していることに気づいた。

画面をタップすると、メールがきていた。

何だろう、こんな時間に。

そう思いながらメールを開くと、朔太郎からだった。

『ごめん、急用ができたから行けなくなった!』

そう書いてあったメールの本文に、
「えっ…?」

私はスマートフォンを落としそうになった。
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