ダンデライオン
「あっ、綿菓子美味しそうー♪」

「忍兄ちゃん!」

忍兄ちゃんは私の手を引くと、綿菓子の屋台へと連れて行った。

「すごいなあ、今の綿菓子は色がついているんだね」

店頭に飾られている綿菓子を珍しそうに見つめる忍兄ちゃんはやっぱり子供だ。

定番の白はもちろんのことだけど、ピンクや黄色、オレンジに青といろいろな色の綿菓子があった。

「何色の綿菓子にする?」

忍兄ちゃんが楽しそうに聞いてきた。

「えっ、私が選ぶの?」

戸惑っている私に、
「食べれなかったら俺が食べるから大丈夫だよ」

忍兄ちゃんが笑いながら言った。

いや、そう言う意味で聞いたんじゃないんだけど。
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