ダンデライオン
その2人がどうして、ケンカなんかしたのだろう?

「と言うか、外は大荒れだぞ?

忍くんに何かあったらどうするんだよ!」

お父さんが声を荒げた。

お父さんの怒鳴り声に驚いたと言うように、良太の躰がビクッと震えた。

良太は今にも泣きそうな顔をしていた。

「…良太、お姉ちゃんと一緒に向こうで遊ぼうか?」

私は良太の手をひくと、居間を後にした。

窓の外は激しく降っている雨にあわせるように、雷が激しく鳴っていた。

忍兄ちゃん、どこにいるの?

どうして、おじさんとケンカなんかしたの?

おじさんとは仲良しだったじゃないの…。

そう思ったらいても立ってもいられなくなって、
「お姉ちゃん!」

良太の呼ぶ声を無視すると、私は激しく雨が降っている外へと飛び出した。
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