ダンデライオン
その人は、昨日のお祭りで朔太郎と一緒にいた女の人だったからだ。

どうしよう…。

突然のことに、私はついて行くことができない。

まさか入ったとたんに、こんな現場に出くわしてしまうなんて…。

そう思っていたら、
「彼女が、南田さんが言っていた人なのかしら?」

女の人が朔太郎に話しかけた。

南田さんが言っていたって、朔太郎は私のことを彼女に話したって言うことだよね?

「ええ、はい…」

朔太郎は気まずそうに、首を縦に振ってうなずいた。

「あの、僕の方から彼女にお話をしますので…」

言いにくそうに言った朔太郎に、
「わかったわ」

彼女は返事をすると、裏の方へと消えて行った。
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