ダンデライオン
茶碗に移した冷凍ご飯を電子レンジでチンすると、なすの浅漬けをおかずに食べ始めた。

「あー、うまいなあ」

忍兄ちゃんはバリボリとなすの浅漬けを噛みながら、美味しそうにご飯を頬張った。

私は冷蔵庫からアイスを取り出すと、椅子に腰を下ろした。

今日のアイスはガリガリくんのソーダ味である。

それをかじっていたら、
「8月いっぱいまで、遅番でも家でご飯を食べるから」

忍兄ちゃんが話しかけてきた。

「そう」

私はかじりながら返事をした。

「仕事も忙しいし、8月が終わるまで部屋探しを休むよ」

「そう」

「アサちゃん」

「そう」

「まだ何にも言っていないんだけど…」

呟くように言った忍兄ちゃんの言葉に、私はアイスをかじっていた口を止めた。
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