ダンデライオン
「そんなことは言っていないじゃない」

そう言い返した私に、
「じゃあ、話してもいいじゃないか」

忍兄ちゃんが言った。

「断るわ。

忍兄ちゃんが知ったところで、問題なんて解決できない。

そもそもこれは、私と朔太郎の問題よ。

忍兄ちゃんは口出ししないで」

「意地っ張りにも程があるよ」

忍兄ちゃんが悲しそうに言った。

「本当は誰かに助けて欲しいくせに、自分の問題だからと言って1人で抱え込もうとしている。

子供の頃から変わっていないんだね」

忍兄ちゃんは息を吐いた。
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