ダンデライオン
「1人?」

浅井さんが聞いてきたので、
「まあ、1人と言えば1人です…」

俺は呟くように答えた。

「そう、だったら都合がいい」

浅井さんはそう言った。

都合がいいって、何の?

そう思った俺の頭の中を読んだと言うように、
「君と2人で話をするにはちょうどいいって言う意味で言ったんだ」
と、浅井さんが言った。

「は、話ですか…?」

一体何の話をすると言うのだろう?

たぶん、麻子に関係している話だとは思うけど…。

この前のことにならないよね?

浅井さんがここへ乗り込んできた出来事みたいなことが起こりませんように…。
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