ダンデライオン
「暑いなあ…」

そう呟いて真夏の太陽の日差しがやわらいだら、どんなに嬉しいことなのだろう?

そんなことを思いながら家へと向かっていたら、
「あ」

その声が聞こえたので視線を向けると、
「あ」

私も言ってしまった。

私の目の前にいるのは、
「朔太郎…」

エコバッグを手に持った朔太郎だった。

買い出しの帰りだったのか、エコバッグから白ねぎが顔を出していた。

「久しぶり…って、言うほどでもないか」

朔太郎は苦笑いをした。

「えっと…買い出しに行ってたの?」

そう聞いた私に、
「うん、ねぎとめんつゆが足りなくなったから」

朔太郎が答えた後、私の隣に並んだ。

「そう…」

「麻子は?

こんな時間に外にいるなんて珍しいね」

朔太郎が聞いてきた。
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