ダンデライオン
「私は忍兄ちゃんに忘れ物を届けに行った帰り」

朔太郎の質問に答えた。

「ああ、そうなんだ」

朔太郎は一言返しただけだった。

私たちの間に沈黙が襲った。

気まずいな…。

何か話しかけた方がいいよね…?

もうすぐ、『徒然曜日』が見えてくる。

私たちの間に起こっている問題はまだ解決していない。

ちゃんと朔太郎と話あって、答えを出さないといけない。

でないと、8月になってしまう。

朔太郎の夢を応援するために、彼と一緒に京都へ行きたい。

だけど、お父さんと店を残して行く訳にはいかない。

私はどうすればいいの?

そう思った時、
「あのさ」

朔太郎が話しかけてきた瞬間、
「待ってるから」
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