ダンデライオン
「えっ…あ、ああ」

私は首を縦に振ってうなずいた。

――また明日からお昼食べにきてよ

朔太郎はそう言ったけど、私は１度も彼の店に出向くことができなかった。

あんな風に言ってしまったその翌日に、朔太郎のところへ行くことができる訳ないじゃない…。

「まだ話あっていないの？」

そう聞いてきた忍兄ちゃんに、
「うん、実は…」

本当のことを話すのが怖いから、ごまかすことにした。

朔太郎の話を聞かないで、私は京都へ行って夢をかなえろとか待ってるとかえらそうなことを言った。

そんなことを言った私に対して、朔太郎は何も言わなかった。

男のプライド？

…違う、そんなことを言った私を朔太郎は自分勝手だと思っているはずだ。
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