ダンデライオン
「そうか、こう言うのは早めに解決した方がお互いのためだと思うよ」

忍兄ちゃんはそう返した後、またテレビの方に視線を向けた。

私は少し溶けかけているチョコミントバーを口に入れた。

何だろうな…。

あの日以来、私は忍兄ちゃんのことばかりを考えてしまっている。

忍兄ちゃんが名古屋から帰ってきて、もう1ヶ月になるのか。

最後の1口になったチョコミントバーを口の中で溶かした後、
「ねえ、忍兄ちゃん」

私は忍兄ちゃんに話しかけた。

「んっ、どうしたの?」

忍兄ちゃんはガリガリ君を食べ終えていた。

「もし私が朔太郎と別れることになっちゃったら、忍兄ちゃんはどうする?」

そう質問した私に、
「えっ、そんな状況なの?」

忍兄ちゃんが驚いたと言うように聞き返した。
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