ダンデライオン
「もしよ、もし。

勝手に最初のところを飛ばさないでよ」

「ああ、そうだったね…」

そうだったも何も、私は最初からそう言っていたのですが…。

心の中で毒づいた私に、
「そうだな…。

時間が経ってからアサちゃんと接するかな」

忍兄ちゃんが言った。

「えっ?」

時間が経ってからって、ワインじゃないんだから。

そう思った私に、
「だって傷心のところを狙って近づくなんて、最低な男のやり方じゃん。

“リバウンド・リレーションシップ”、ってヤツ」

忍兄ちゃんが言った。

「り、リバ…?」

それ、日本語ですか?
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