ダンデライオン
忍兄ちゃんは私を見つめると、
「アサちゃんの失恋を俺で埋めるって言うマネだけはしたくないんだ。
ドラマや小説なんかで失恋から新しい恋が始まるなんて言うけど、それってお互いを傷つけあっているんじゃないかって思うんだよね。
前の恋人との失恋を別の人で埋めあわせるって言うのは、よくないと思う。
もちろん、寂しいのはわかるけど…結局最後に傷つくのは、自分と周りの人間だと思う」
言い終えた後、縁側にいる私のところへやってきた。
「ちょっと、テレビ…」
「どうでもよくなった」
忍兄ちゃんは私のあごに指を添えた。
「し、忍兄ちゃ…」
うつむいて忍兄ちゃんから目をそらそうとしたら、
「俺を見て」
クイッとあごをあげられて、忍兄ちゃんと目をあわせられた。
「――ッ…」
忍兄ちゃんの瞳に映っているのは、私だけだった。
ドキッ…と、私の心臓が音を立てて鳴った。
「アサちゃんの失恋を俺で埋めるって言うマネだけはしたくないんだ。
ドラマや小説なんかで失恋から新しい恋が始まるなんて言うけど、それってお互いを傷つけあっているんじゃないかって思うんだよね。
前の恋人との失恋を別の人で埋めあわせるって言うのは、よくないと思う。
もちろん、寂しいのはわかるけど…結局最後に傷つくのは、自分と周りの人間だと思う」
言い終えた後、縁側にいる私のところへやってきた。
「ちょっと、テレビ…」
「どうでもよくなった」
忍兄ちゃんは私のあごに指を添えた。
「し、忍兄ちゃ…」
うつむいて忍兄ちゃんから目をそらそうとしたら、
「俺を見て」
クイッとあごをあげられて、忍兄ちゃんと目をあわせられた。
「――ッ…」
忍兄ちゃんの瞳に映っているのは、私だけだった。
ドキッ…と、私の心臓が音を立てて鳴った。