ダンデライオン
私は目を開けた。

窓から差し込んでいる日差しに、私は朝がきたことを知った。

外ではカラスが大きな声で鳴いている。

「――縁起が悪いわねえ…」

私は大きな声で鳴いているカラスに毒づくように呟いた。

あんな夢を見た後でカラスの鳴き声を聞かなきゃいけないなんて、縁起が悪いにも程があると思った。

私は息を吐くと、躰を起こした。

「昨日お風呂に入ったのに…」

あの夢を見たせいで、躰が汗でベタベタだ。

髪を洗ったおかげで寝る時はサラサラだった髪も、汗でベタベタしている。

「汗ふきシート、まだ残っていたわよね…?」

私はドレッサーに歩み寄ると、引き出しを開けた。
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