ダンデライオン
「美森、急いで中川先生をここに連れてきて!」

「わかった!」

美森ちゃんが外へと飛び出した。

「麻子ちゃん、大丈夫!?

私のことわかる!?

自分が今どこにいるかわかってる!?」

話しかけているおばあちゃんに、私は首を縦に振ってうなずくことしかできない。

「おばあちゃん、連れてきたよ!」

美森ちゃんの声が聞こえたのと同時に、私の前に誰かが駆け寄ってきた。

中じぃだった。

「麻子ちゃん、大丈夫!?

お腹のどこが痛いか、ちょっと確かめてもいいかな?」

中じぃの言葉に首を縦に振ってうなずくと、
「ちょっと失礼しますよ」

お腹を抱えている私の手を退けると、中じぃが手でお腹をさわった。
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