ダンデライオン
「おはようございます。

ご飯できていますよ」

忍兄ちゃんがお父さんに声をかけた。

お父さんは思い出したと言う顔をすると、
「ああ、今日は朔太郎くんがこない…」

「わーっ!」

最後まで言おうとするお父さんの言葉をさえぎると、私は椅子から急いで立ちあがった。

「えっ、アサちゃん?」

訳がわからない顔をしている忍兄ちゃんを無視すると、私はお父さんの腕を引っ張って食卓から連行した。

「えっ、何だ?

何があったんだ?」

連行されているお父さんは訳がわからないと言う顔をしている。

私は2階へ続く階段の前でお父さんの腕を離した。
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