ダンデライオン
「とかしてあげるから座ってて」

さくらちゃんにソファーに座ることを促された。

「えっ…ああ、うん…」

片方の手はまだ点滴の最中だから仕方ないか。

私はソファーに腰を下ろした。

それまで束ねていたヘアゴムを外すと、さくらちゃんはブラシで私の髪を丁寧にとかした。

くしを使って髪を3束に分けた後、1つの三つ編みにした。

「はい、できたわよ」

さくらちゃんがポンと私の肩をたたいた。

「髪までとめてもらっちゃって何だか申し訳ないわ」

振り返ってさくらちゃんの方を向いた私に、
「いいのよ、別に」

さくらちゃんは笑いながら答えた。

「あっ、そう言えば今何時かわかる?」

そう聞いた私に、
「えーっと…ああ、11時になるところだわ」

さくらちゃんが腕時計に視線を向けると答えた。
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