ダンデライオン
「じゃ、行ってくるよ」

「はい、行ってらっしゃーい」

忍兄ちゃんを見送ると、私は朝ご飯の後片づけを始めた。

本当は忍兄ちゃんがやると言い出したんだけど、さすがにそこまではさせられないから会社へ行く時間を話に出して全力で止めた。

「居候だからって言うけど、そこまでしなくて結構だって言うのよ」

私は呟いた後、洗剤をつけたスポンジを食べ終わった皿にこすりつけた。

忍兄ちゃんが作った朝ご飯は文句のつけようがないくらいに美味しかった。

後片づけを終えると、開店の準備を始めた。

私はエプロンを身につけると、ガラスのショーケースから昨日売れ残った花を取り出した。

「百合は枯れるスピードが早いからなあ」

私は呟いた後、百合のプレートのうえに半額のシールを貼りつけた。
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