ダンデライオン
「あ、あきらめないって…」

忍兄ちゃんは何故だかわからないけど、その場で正座をした。

えっ、急に何?

突然のことに私は訳がわからない。

戸惑っている私を忍兄ちゃんは見つめると、
「アサちゃんが板前見習いのことをあきらめて、俺を好きになってくれるのを待ってるから」
と、言った。

「は、はあっ?」

私は訳がわからなかった。

何が何でどう言う風に変化してこうなっちゃったの?

私の説明が足りなかったから、こんなことを言っているの?

…と言うよりも、忍兄ちゃんってこんなにも頭が悪かったっけか?

そう思っている私に、
「じゃあ、そう言うことだから」

忍兄ちゃんは立ちあがった。

その場を立ち去った忍兄ちゃんに、
「えっ、ちょっと!」

私はその場で頭を抱えた。
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