ダンデライオン
「ケータイはどうしたの?」

続けて質問してきた忍兄ちゃんに、
「…すぐに終わると思ったから、持ってきていないわ」

私は呟くように答えた。

「何のためのケータイなんだよ…」

スマートフォンを持ってこなかった私も私で悪いけど、そんなにも呆れることないじゃないのよ。

「帰ろうか?

俺と一緒に帰ってきたなら、おじさんもとやかく言わないと思う」

「そうだね…」

私は首を縦に振ってうなずいた。

忍兄ちゃんと並ぶと、家に向かって歩き出した。

「久しぶりだね、一緒に家に帰るのって」

忍兄ちゃんが言った。

「そうだね」

私は答えた。
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